お子さんの将来の虫歯リスクは3歳頃までの生活習慣が大きく影響するといわれています
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯の原因となる菌は存在していません。こうした菌は、食器の共有などを通じて周囲の大人から移り、3歳頃までに定着するといわれています。
とはいえ、菌の感染を過度に気にしてスキンシップを控えすぎてしまうと、お子さんとの関係に影響を与える可能性もあります。ご家族全体でお口の健康に気を配ることで、過度な制限をせずに虫歯のリスクを抑えることが可能です。
また、早い時期から歯科医院に慣れておくことも、将来の虫歯予防に役立つとされています。目安として、上の前歯が2本生えた頃に一度受診しておくとよいでしょう。
保護者の方へご協力のお願い
お子さんのお口の健康を守るためには、定期的な予防処置や必要な治療が欠かせません。
ただし、小さなお子さんは、慣れない環境に不安や緊張を感じやすく、ご家族のあたたかいサポートがとても重要です。
お子さんが前向きな気持ちで歯科医院に通えるよう、ご協力をお願いいたします。
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お子さんに歯科医院へ通う意味を伝えましょう
歯の健康を守ることの大切さは、大人にとっては当たり前でも、お子さんにはまだピンとこないこともあります。
「歯医者さんで頑張ったらごはんがもっとおいしくなるよ」「虫歯にならない強い歯になれるよ」といった前向きな声かけが、お子さんのモチベーションにつながります。
ご自身の歯科通院の体験を、楽しかったこと・ラクだったことなど前向きなエピソードとして話してあげるのも効果的です。
反対に、「頑張らないともっと痛くなるよ」「言うこと聞かないと大変なことになるよ」といった脅すような言葉は、不安を大きくし歯科への苦手意識につながるため避けましょう。
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嘘で誘わず、信頼関係を大切に
お子さんを歯科医院に連れて行く際、「遊びに行く」など事実と異なる説明をすることは、かえって歯医者への不信感を招く原因になります。
また、「頑張ったらおもちゃを買ってあげるね」といった約束も、守られなければお子さんにとって“嘘”になってしまいます。守れない約束は避けましょう。
小さな頃から歯科医院で定期的な検診を受ける習慣をつけ、普段から歯医者さんの存在を自然なものとして伝えておくことで、お子さんの不安を和らげることができます。
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よく頑張ったときには、たくさん褒めてあげましょう
大人にとっては簡単に感じることでも、お子さんにとっては大きな挑戦です。緊張しながらも一生懸命がんばったときは、「えらかったね!」「すごいね!」とたっぷり褒めてあげてください。
その経験が自信となり、「また頑張ろう」と思えるようになります。
もしうまくできなかったとしても、責めたり叱ったりせず、何が難しかったのかを優しく聞いてあげることで、次回への前向きな気持ちを育むことができます。