▼目次
1. 子どもでも歯周病になるって本当?
2. 子どもの歯になぜシーラント治療が必要?
3. 小児歯科における年齢別シーラント治療のタイミング
4. 市川市 下総中山の歯医者 下総中山アール歯科の小児歯科・小児矯正
「歯周病は大人の病気」と思っていませんか?実は、子どもでも歯茎が腫れたり、出血したりすることがあります。
歯周病とは、歯の周りの歯茎や骨に炎症が起こる病気で、進行すると歯を支える骨が溶けてしまうこともあります。大人に多いイメージですが、子どもにも「歯肉炎」という初期段階の炎症が見られることは少なくありません。
今回は、「子どもにも歯周病が起こるのか?」という疑問をふまえ、歯茎の腫れや出血の原因、そして家庭で気をつけたいケアのポイントについて解説します。
1. 子どもでも歯周病になるって本当?
「歯周病は大人の病気」と思われがちですが、実は子どもでも歯茎に炎症が起こることがあります。
ただし、子どもの場合は年齢や発育段階に応じた特徴があり、大人の歯周病とは少し異なる点もあります。
ここでは、子どもに見られる歯茎の炎症や、その背景について解説します。
①子どもに多くみられる「小児性歯肉炎」
子どもの歯茎の炎症で最も一般的なのが「小児性歯肉炎」です。
歯茎が赤く腫れたり、歯磨きのときに出血したりすることが特徴で、主な原因は磨き残しによるプラークの蓄積とされています。
毎日の歯磨きを丁寧に行うことで、改善が期待できるケースが多くあります。
➁思春期には「思春期性歯肉炎」に注意
思春期に入ると、ホルモンバランスの変化によって歯茎が敏感になり、腫れやすくなることがあります。この時期に歯磨きが不十分だと、プラークが溜まりやすくなり、出血や炎症が悪化することもあります。特に、仕上げ磨きの見直しや、丁寧なブラッシング習慣の定着が大切な時期といえるでしょう。
③歯周病の背景には家庭での習慣が関係しやすい
歯磨きの習慣や食生活、だらだら食べの頻度、仕上げ磨きの有無など、日常生活の中に歯茎に負担をかける要素が潜んでいることがあります。特に、子ども自身で管理が難しい年齢の場合は、保護者のサポートが重要です。
子どもでも歯茎の炎症は起こり得ますが、多くの場合、生活習慣が関係している可能性があります。日々のケアと保護者の気づきが、健康な口腔内環境を守るポイントとなるでしょう。
2. 歯周病以外の歯茎の腫れや痛みの原因
子どもの歯茎が腫れたり痛みを訴えたりする場合、その原因が必ずしも歯周病とは限りません。成長の過程や生活環境、外部からの刺激など、いくつかの要因が関係していることがあります。以下に、歯茎の異常が見られたときに考えられる原因を解説します。
①歯の生え替わりによる刺激
乳歯から永久歯に生え替わる時期には、歯茎が押し上げられたり、切り開かれるようにして歯が出てくるため、腫れや違和感を感じることがあります。こうした反応は一時的なことが多く、経過を観察する中で徐々に落ち着くこともあります。
②口内炎や傷が原因となることもある
食事や歯ブラシの刺激、または無意識に唇や頬を噛んでしまうことでできた小さな傷が、歯茎の腫れや痛みを引き起こすことがあります。特に下唇の内側や奥歯の周辺は、刺激を受けやすい場所とされています。
③矯正装置による局所的な炎症
矯正治療中の子どもでは、ワイヤーやブラケットが歯茎や粘膜に触れて刺激し、炎症を起こすことがあります。装置の周りは磨き残しが起きやすいため、清掃状態にも注意が必要です。
④歯の根に関するトラブル
むし歯が進行して歯の根元に炎症が広がると、歯茎が腫れてぷっくりと膨らむことがあります。強い痛みを伴う場合もあるため、早めの歯医者への受診が必要です。
⑤ウイルス感染や体調の影響
風邪や発熱などの体調不良、ヘルペスなどのウイルス感染が歯茎に影響を及ぼすこともあります。口腔内の症状だけでなく、全身の様子や他の症状と合わせて観察することが大切です。
子どもの歯茎の腫れや痛みにはさまざまな原因が考えられます。自己判断で放置せず、口腔内の変化に気づいたら、早めに歯科医師に相談することが大切です。
3. 歯茎の腫れに気づいたら?自宅でできる対処法と受診の目安
子どもの歯茎が腫れたり出血したりしたときは、まずは家庭で適切なケアを行うことが大切です。ここでは、自宅でできる対処法と、歯医者を受診する目安について解説します。
①歯磨きをやさしく続ける
歯茎が腫れていると、「触らないほうがよいのでは」と感じることもありますが、歯垢をしっかり取り除くことで炎症の改善につながることがあります。出血がある場合は強くこすらず、柔らかめの歯ブラシでやさしく磨くようにしましょう。また、仕上げ磨きで磨き残しがないか確認することも大切です。
➁うがいを習慣づける
口腔内を清潔に保つために、食後や歯磨きの後にうがいをする習慣を取り入れてみましょう。歯茎が敏感な時期は、冷たい水よりもぬるま湯でうがいをするほうが刺激が少なく、続けやすい場合があります。
➂頬の外側から冷やす
歯茎の腫れが強いときは、頬の外側をタオルや保冷剤で軽く冷やすと、違和感が和らぐことがあります。ただし、冷やしすぎると刺激になる場合もあるため、短時間ずつ様子を見ながら行いましょう。
④生活リズムを整える
疲れや睡眠不足、体調不良があると、歯茎の炎症が出やすくなることがあります。歯茎の状態を安定させるために、睡眠や食事のバランス、間食のタイミングなど、日常生活を見直してみましょう。
➄間食やだらだら食べを見直す
糖分を含む飲食物を長時間口にしていると、口腔内が酸性になり、細菌が増えやすくなることがあります。食事とおやつの時間を分けることで、口腔内の環境が安定し、歯や歯茎への負担を軽減できる可能性があります。
このようなケアを行っても、「歯茎の腫れが数日続く」「毎回の歯磨きで出血する」といった症状が見られる場合は、歯肉炎が進行して歯周病になっている可能性や、他の原因が関係していることがあります。また、発熱や全身の不調を伴う場合は、口腔内の炎症が広がっているサインかもしれません。
症状に変化があるときや判断に迷ったときは、早めに歯科医師に相談することが大切です。
4. 市川市 下総中山の歯医者 下総中山アール歯科の小児歯科・小児矯正
千葉県市川市 下総中山の歯医者 下総中山アール歯科では、発育段階にあるお子さんの将来を見据えた小児歯科・小児矯正治療を提供しています。
子どもの心身的な負担に配慮しながら、親御さんのお考えや子どもの成長、口腔内の状態を考慮した適切な治療法のご提案に努めています。
①乳歯(子どもの歯)・生え変わったばかりの永久歯(大人の歯)のむし歯予防
むし歯予防の基本はお家でのセルフケアです。お子さんご自身が正しい歯磨きが行えるようレクチャーを行います。また親御さんへ仕上げ磨きのコツや効果的な歯科用品のアドバイスを行っています。
子どもの歯自体をむし歯菌からバリアするためにフッ素塗布やシーラント充填(奥歯の溝を埋める処置)も行っています。
②正常な成長を促して歯並びを改善する小児の「顎顔面矯正」
顎顔面矯正とは、顎(あご)や顔面の骨格のバランスを整える治療のことです。一般的な歯列矯正が「歯をきれいに並べる」ことを目的とするのに対し、顎顔面矯正は「顎の成長や骨格全体の調和を改善する」ことを目的としています。
《顎顔面矯正の特徴》
1. 骨格レベルでの改善
上顎・下顎の位置や大きさのバランスを整える
歯並びだけでなく、顔の非対称や咬み合わせのズレを改善
2. 成長期の子どもを対象にすることが多い成長を利用して骨格の発育をコントロールできる
早期治療(5~12歳ごろ)により、抜歯や外科手術のリスクを減らせる
3. 成人にも適応される顎変形症などの場合は、外科手術(外科的矯正)と併用することが多い
成人矯正ではスプリントや外科矯正を組み合わせることもある
《具体的な治療方法》
・急速拡大装置(RPE):上顎を広げるための装置
・フェイシャルマスク:上顎の前方成長を促す
・機能的矯正装置:下顎の成長を誘導
《顎顔面矯正が適応されるケース》
・上顎または下顎が前後的にずれている(出っ歯・受け口)
・顎が狭く、歯が並ぶスペースがない
・顔の左右非対称が気になる
・咀嚼や発音に問題がある
《顎顔面矯正のメリット・デメリット》
◎メリット
・顔全体のバランスが整う
・抜歯を回避できる可能性が高い
・呼吸や発音の改善にもつながる
✖ デメリット
・成長期を過ぎると効果が限定的
・矯正期間が長くなる場合がある
・痛みや違和感を伴うことがある
顎顔面矯正は、特に成長期の子どもにとって有効な治療法ですが、成人でも適応できるケースがあります。患者さんの骨格や症状に応じた適切な治療計画が重要です。
③MFT(口腔筋機能療法)
口腔筋機能療法「MFT」(Oral Myofunctional Therapy)とは、食べる(咀嚼)時、飲む(嚥下)時、発音時、呼吸時の舌や口唇の位置の改善を目的とした各種トレーニングです。MFTを継続して行うことで口腔周囲の筋肉バランスを整え、癖を直すことができます。特に指しゃぶりと舌癖は、MFTでの症状改善が期待できます。
当院は小児口腔発達不全学会の認定資格の「口腔機能支援士(ORFS)」の歯科衛生士が在籍し、導入時の指導説明からアクティビティの指導まで正しい知識の元、子どもの発育をサポートしています。
《使用する装置》
プレオルソ矯正:1時間程のトレーニングと就寝時のマウスピース矯正装着で効果が期待できる、子どもにかける負担をなるべく抑えた治療法です。
詳細は以下サイトページをご覧ください。
https://srdc.jp/menu/child/
まとめ
子どもでも歯茎の腫れや出血は起こることがありますが、その原因は必ずしも歯周病だけとは限りません。成長や生活習慣、口腔内の環境などが関係している場合も多いため、日頃のケアと観察が大切です。症状が長引いたり、痛みや出血が強いときは、早めに歯医者を受診しましょう。
千葉県市川市 下総中山周辺で、子どもの歯周病にお悩みの方は、下総中山アール歯科の小児歯科・小児矯正までお問い合わせください。
監修:下総中山アール歯科 院長 若林 孝宏
略歴
- 2007年 明海大学歯学部 卒業
- 神奈川歯科大学臨床研修
- 某県法人 勤務
- 某県法人チーフドクター
- 某県法人副院長
- 都内法人副院長
- 2018年 下総中山アール歯科 開業
所属学会・資格
- 日本歯科医師会
- 千葉県歯科医師会
- 市川市歯科医師会
- 日本顎咬合学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本歯周病学会
- 日本顎関節学会
- 日本顕微鏡学会
- 日本メタルフリー学会、他
- 歯科医師臨床研修 指導医
- 市川市立新井小学校 校医
- ペリソルブ・カリソルブ認定医